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忍々跋扈
日々を耐え忍びつつ、自由に放浪する。
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2025/05/08 (Thu) 03:43
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2009/03/22 (Sun) 14:18
先日癌を患ってる70歳の叔父の話を聞いてきた。その話を何かに記録しておこうと思ったところ日記帳でもあるブログが思いついたので、いい話だったかどうかはわからないけど、高度経済成長期を生きてきたエンジニアの話は自分が日頃考えてることなんかとは比べ物にならない価値があるだろう。

正月等に叔父の家を訪ねると、叔父は他の親戚と違って「お前は昔はこうだった」とかいう話はしないで、僕の興味のある分野の話や話やすい話題を中心にしてくれて、何かと気にかけてくれる人だった。
先日お見舞いに行った時も、口下手な僕が話題を考える間を与えないぐらいに話をしてくれたが、これじゃあさすがに悪いと思ったので、前から聞きたかった身の上話を聞いてみた。

叔父は地方の国立大学を出て、大手の家電メーカーに就職したが、一般的に大卒は開発部門に配属されるはずが、叔父は工業高校卒者が多いデバック部門に配属された。だが、大学時代に全然勉強してこなかったから、デバックの仕方も工業高校卒の人に教わってたらしい。しかし、やり方はわかるが仕組みがわからないので、そのことを不満に思い、ある年レポートに書いたところ企業がそれなりの対応をしてくれて、開発者と一緒にデバックをするようになり原理を学んで行き、最終的に開発部門へ移った。
そしてそこでも小さい基盤から、より大きな基盤を作る作業を任されるようになっていき、最終的には一つのデバイスの総括を任されるようになった。こういうと簡単に聞こえるが、ここまで来るのに約25年ぐらいかかったらしい。
そして、光通信が流行りだした時期的な関係もあって光アンプを開発し、1,2年は1個100万で売れてかなり儲けることができたが、今はすぐにチープ化して行き、今は3000円で買えるらしい。
定年退職後は、他の会社の通信部門を手伝い、そこも退職したあと友人と何かやろうとして計画してるうちに癌になってしまった。

叔父は、話の合間に「専門的な分野で金を稼ぐには、何かを作らなければならない」「何かを作るには広い視野が必要」「自分も何が必要なのかはよくわからないからエラソーなことは言えない」と言っていた。

「広い視野が必要」と言っているのは、たしかに一般論で何をするにも広い視野は必要だが、叔父の勤めている会社の経営の悪化によって身をもって感じたんだろう。もっと何かを作りたかったのかもしれない。

また、自分の周りの人間は自分が今まで築いてきた価値観が絶対で、それを肯定するためにも相手にそれを押し付ける人間が多いのだが、叔父の「よくわからない」という言葉は、叔父さんが謙虚だとかそういうことではなく、飽くなき探求心というか色々なことを求め続けることが重要だと言ってるように思えた。
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自己紹介:
エゴイストだからこそ御節介を焼いてしまう。そういう偽善者こそが「人間」だと思ってる。

・2年間の引き籠り経験アリ
・2年目で大学中退
・2年間の浪人生活
・某宗教団体に参加していた

「共存」に興味があるので、愛読書は自ずとそれ系の「風の谷のナウシカ」「カムイ伝」「寄生獣」、小野不由美の小説。
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